電気工事におけるスイッチにはさまざまな種類があります。

スイッチの位置や種類を確認する際には、図面を見るのが手っ取り早いですが、もし手元にある図面が建築図面の場合には、スイッチの記号の意味が分からなければ、どのようなスイッチが設置されているのか確認できません。それどころか、記号がスイッチであるか否かさえ、判断しづらいのではないかと思います。

今回の記事では、電気工事におけるスイッチの意味について案内いたします。

▶目次

1、基本(●)のスイッチ記号

3分解説~スイッチ電気工事の建築図面記号について
建築図面のスイッチ記号について紹介します。

単極スイッチ・2極スイッチ

「●」が、単極スイッチ、「●2」が2極スイッチを表します。

単極スイッチとは、一般的に照明のスイッチとして利用されるものです。スイッチの記号は、この単極スイッチのものを基本としていますので、●がついていると、何らかのスイッチであると考えて問題ないでしょう。

両極スイッチとは、一つのスイッチで2つの制御を行うことのできるスイッチのことを指します。

位置表示灯内蔵スイッチと確認表示灯内蔵スイッチ

「●H」は表示灯内蔵スイッチを指します。表示灯内蔵スイッチは、パナソニック製の商品名が一般化し、ホタルスイッチとも呼ばれます。ホタルの「H」なので、覚えやすいですね。

ホタルスイッチとは、消灯している際にほのかに光るスイッチのことです。暗闇の中でもスイッチの位置がわかりやすいというメリットがあります。

「●L」は買う人表示灯内蔵スイッチを指します。確認表示灯内蔵スイッチは、パイロットスイッチとも呼ばれます。表示灯内蔵スイッチとは逆に、スイッチがオンになっている状態のときにライトが光り、電源が入っていることを知らせてくれるスイッチです。
点灯していることが明瞭になるので、消し忘れを防ぐのに役立ちます。

3路スイッチ、4路スイッチ

「●3」、「●4」と表記されるのは、3路スイッチ、4路スイッチです。これも、数字がそのまま記号になっているので、分かりやすいですね。

いずれも、連動スイッチのことで、3路スイッチは1つの照明に対してスイッチが2カ所、4路スイッチは1つの照明に対してスイッチが3カ所に設置されます。広いフロアや階段の上下などによく設置されるスイッチですね。

自動点滅器

「●A」で表記されるのは、自動点滅器です。
自動点滅器は、名前の通り暗くなると自動的に点灯し、明るくなると消灯する照明です。

防雨型スイッチ

「●WP」で表記されるのは、防水スイッチです。ウォータープルーフのWPですので、これもわかりやすいのではないでしょうか。
基本的には屋外に設置されます。

調光器

調光器付きスイッチは、●に斜めの矢印が書かれたものです。

2、●以外のスイッチ記号

3分解説~スイッチ電気工事の建築図面記号について
基本形以外のスイッチ記号を紹介します。

握り押しボタンなど

ナースコールなどで使用される握り押しボタンは、二重丸の中が黒く塗りつぶされた記号を使用します。

握り押しボタンの記号の右に「B」が記載されたものは、電磁開閉器用押しボタンです。ONとOFFの二つのボタンがあり、それぞれのボタンを押すと電磁開閉器の接点を操作できます。

さらに、「BL」と記載されていると、確認表示灯付きの電磁開閉器用押しボタンの記号になります。

また、右に「F」と記載されたものは、フロートスイッチを指します。フロートとは、「浮き」のことで、液晶の高さを検知するセンサーの役割をしています。フロートの上下でONとOFFが切り替わります。

押しボタン

●を枠で囲んだ記号は、押しボタンを指します。

また押しボタンの記号の左側が一部塗りつぶされた記号は、壁付押しボタンの記号です。

タイムスイッチ

TSを枠で囲った記号は、タイムスイッチです。

何時から何時までON,何時から何時までOFFという風に、時間によって電源のONとOFFを設定することができます。

ワイドハンドル型スイッチ

「◆」はワイドハンドル型スイッチを指します。

ワイドハンドル型スイッチは、横幅の広いスイッチのことです。

◆に斜めの矢印が書かれたものは、ワイド型調光器です。

3、まとめ

この記事では、スイッチの記号について紹介しました。

建築図面は文字が細かくて見づらく、ただでさえとっつきにくいものです。ですが、記号の意味を理解することによって、図面の意味が理解できるようになるだけで、だいぶなじみやすいものになるのではないでしょうか?記号の種類はたくさんありますが、●を基準にしており、記号も名称や機能に直結するものが多いので、分かりやすいのではないかと思います。

スイッチの位置や種類を図面で確認できれば、その都度電気工事業者に確認を取らなくてもよくなったり、工事を行う際にオフィスの状態がわかったりするので、メリットがたくさんあります。

この記事を参考にしていただければ幸いです。